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『黒ノート』輪読会の開催のお知らせ

『黒ノート』輪読会の開催のお知らせ

ハイデガー研究会では、2014年4月の月例研究会より、『省慮(Überlegungen)』と題された全集94・95・96巻収録の通称『黒ノート』(Schwarze Hefte)の輪読会を開催します。

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『黒ノート』は、既刊著作や講義録の刊行ののち、ハイデガー自身が全集版として刊行を指示した個人的なノートであり、2014年の2月と3月にようやく刊行されました。94巻は1931-38年のノートを、95巻は1938/39年のノートを、そして96巻は1939-41年のノートを収録しています。黒い表紙にちなんで『黒ノート』と呼ばれていますが、そこに収められた反ユダヤ主義的文言をめぐって、刊行以前からドイツやフランスのメディアを巻き込んで大きな議論となってきました。

ハイデガー研究会では、一面的な批判や擁護ではなく、こうした発言の事実に正面から向き合うとともに、政治的・社会的含意も充分に考慮に入れたうえで、その思想的内実の哲学的究明に取り組みたいと思います。

じっさい『黒ノート』には、反ユダヤ主義的文言や国家社会主義への言及ばかりでなく、前期の『存在と時間』に対する自己反省や、ニーチェをはじめとするさまざまな哲学者との対決、さらには「転回」を画する『哲学への寄与』等のテキストにみられる独自の諸概念についての言及も含まれており、ハイデガー哲学の最深部を究明するための第一級の資料と言って過言ではありません。

しかしまた『黒ノート』は個人的なノートであるだけに、その究明にあたっては、断りなく前提とされている数多くの著作や講義録、断片との比較検討も必要です。ハイデガー研究会では、専門研究集団としての知識を結集してその困難な読解作業に挑むとともに、月例研究会における輪読会をはじめ、シンポジウムや刊行物等をつうじて、その研究成果を公開していきます。

ハイデガーに関心を寄せるみなさまの輪読会へのご参加、お待ちしています。

ハイデガー研究会運営委員一同
2014年3月31日
by HeideggerAT | 2014-03-31 20:02
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