2017/11/25『存在と時間』刊行90周年記念シンポジウム「ハイデガー『存在と時間』2017」報告

先日来ご案内してまいりました、【『存在と時間』刊行90周年記念シンポジウム「ハイデガー『存在と時間』2017」】が、11月25日、青山学院大学にて開催されました。
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 『存在と時間』の未完部分についての独自の考察を行った、森一郎氏(東北大学)の開会講演からはじまり、一般研究発表(高井寛氏・鈴木優花氏・安田悠介氏・瀧将之氏・木村史人氏・山中健義氏・小村優太氏・戸谷洋志氏・大江倫子氏)では、気分論、自己論、技術論などに焦点を当て『存在と時間』を内在的に考察するものから、ヨナス、デリダ、ロムバッハ、アヴィセンナ、フィーンバーグといった『存在と時間』を受容、解釈、批判した哲学者の視点から、『存在と時間』という著作の意義を再考するものまで、多彩な研究発表が行われました。

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 『存在と時間』の射程を探る、ワークショップ①「「ソルゲ(気遣い・憂愁・ケア)」としての現存在のありかたをめぐって」(コーディネーター:古荘真敬氏(東京大学)、パネリスト:丹木博一氏(上智大学短期大学部)、川口茂雄氏(甲南大学))では、『存在と時間』において我々現存在の存在であるとされる「Sorge」について、現在の様々な学問分野における広がりが、そしてワークショップ②「「意味・解釈・翻訳」をめぐって」(コーディネーター:渡邉和典氏(学習院大学)、パネリスト:西山達也氏(早稲田大学)、森田團氏(西南学院大学))では、『存在と時間』における解釈や意味、そしてそれを翻訳することの難しさと面白さなどをめぐって、議論が白熱いたしました。

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 最後の「シンポジウム『存在と時間』2017」では、的場哲朗氏(白鴎大学)の司会のもと、パネリストとして高田珠樹氏(大阪大学)、相楽勉氏(東洋大学)、加藤恵介氏(神戸山手大学)、齋藤元紀氏(高千穂大学)が登壇し、それぞれの『存在と時間』についての想いとともに、20世紀最も売れた哲学書といわれるこの著作が含む多様な意義に光を当てました。

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 当初予想していた数を大きく上回る来場者にも恵まれ、日本のハイデガー研究を支えてきたベテランの研究者から若手研究者まで、思想のZuspiel(パス)を交換する充実した一日となりました。
 当日配布された原稿を一部改稿したものが、本年中にウェブジャーナル『Zuspiel』として公開予定です! そちらもぜひよろしくお願いいたします。

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by HeideggerAT | 2017-11-27 11:22
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