ハイデガー研究会10月例会報告

10月28日(日)、法政大学新見附校舎で10月の例会が開催されました。

輪読会では、鈴木優花さん(東京女子大学)作成の訳文にしたがって、「アナクシマンドロスの箴言」を読み進めました。パルメニデスやアリストテレスに先立ち、アナクシマンドロスが「タ・エオンタ」のうちに込めたであろう含意を読み取ろうとするハイデガー。参加者のいろいろな立場からの読みを重ねあわせることで、たとえ些細な表現であっても、そこに込めたハイデガーの意図が浮き彫りにされました。

続く研究発表では、まず森正樹さん(慶應大学)が「『存在と時間』における現存在の自己の不断の自立性について――「立場を獲得し終えた」についての解釈――」と題して発表。従来多くの論者が触れながらも、なお議論の余地を残す「自立性(Selbstständigkeit)」の概念について、本来性と非本来性の関係の再検討をも見据えた考察が展開されました。

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もう一つの研究発表では、上田圭委子さん(首都大学東京)が「「生」の動き――アリストテレスの現象学的解釈におけるハイデガーの事実的生の運動概念とその射程」と題して発表。宗教的生の運動分析を踏まえ、全集第62巻のアリストテレス『形而上学』と『自然学』解釈を中心に、ハイデガーの運動概念の射程が精緻に分析されました。

予定時間を30分超過して、今回も濃厚な議論が展開した例会でした。

輪読会の「アナクシマンドロスの箴言」もいよいよ終盤。次回も研究発表との二本立てで開催予定です。
詳細は追ってお知らせします。
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by HeideggerAT | 2012-10-30 17:57
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